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・人工イクラを作る。
・アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムを反応させる。
・アルギン酸カルシウムの膜ができて小さな球になる。
人工イクラというのは,アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムを反応させた,粒状でプニプニした触感の小さな球のことです。本物の人工イクラは3重構造ですが,ここでは簡単な2重構造タイプを作ります。
100円ショップでキットを購入するのが手軽です。アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムをぬるま湯に溶かしておきます。アルギン酸ナトリウムは溶けにくいので,自力で溶かそうとすると疲れてしまいます。そこで,ハンドミキサー(100円ショップ製品でもOK)を使います。水溶液はドロドロしているので,泡が消えるまで静置します。食用色素や絵の具で着色しておくと,仕上がりがカラフルで楽しくなります。
乳酸カルシウム水溶液にスポイトなどでアルギン酸ナトリウム水溶液を滴下すると,瞬時に小さな球(人工イクラ)になります。アルギン酸ナトリウムは,水に溶けるとマイナス電荷のアルギン酸イオンとプラス電荷のナトリウムイオンに分かれます。そのアルギン酸イオンがプラス電荷のカルシウムイオンと結びついて,アルギン酸カルシウムになります。それが球の外膜になります。球の内部にはカルシウムイオンと結びつかなかった部分が残っていて,水もたくさん含まれています。そのため人工イクラの触感は,しっかりしたゴムのような膜に覆われた小さな水ボールのようで,プニプニしています。滴下すると球状になりますが,連続して垂らすとヒモ状にもなります。
スポイトで人工イクラを作っていると,1粒ずつ作るのがじれったくなってきます。もっと一気にたくさん作れないものか。そこで,関西風お好み焼きに欠かせないマヨネーズポットを使います。材料の食用アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムは,ネットで購入できます。アルギン酸ナトリウム小さじ2(約4g)を水2カップ(約400ml)にハンドミキサーを使って完全に溶かします。食用色素や絵の具で着色して静置し,泡が消えたらポットに入れます。3穴調味料ポットの先のカット次第で,人工イクラの大きさを変えることができます。乳酸カルシウム小さじ5(約8g)を水4カップ(約800ml)に入れてハンドミキサーで溶かします。こちらは比較的早く溶かすことができます。
浅くて広い容器に乳酸カルシウム水溶液を流し入れておきます。アルギン酸ナトリウム水溶液を入れたポットを軽く握りながら左右に動かすと,一気に大量の人工イクラを作ることができます。アク取り網ですくい,水洗いしたら出来上がりです。
人工イクラは,作ること自体が楽しい実験です。ペットボトルなどに入れてしばらく置いておくと,色素や絵の具によっては,色が染み出して透明になることがあります。また,室温で放置しておくと,カビが発生することもあります。ですから,作り終わったら早めに処分する方がよいと思います。 関連実験(あわせて、こちらもどうぞ) 水ボール「Ooho!」を作ろう
化学 | 化学反応 | 探究心 | 786 | 春夏秋冬
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少ない
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